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Q7.不倫相手に、離婚慰謝料を請求することができる?

【結論】
 離婚慰謝料の請求が認められる場合もありますが、認められるためのハードルは非常に高いと考えられます

【解説】
 そもそも、離婚慰謝料と不貞慰謝料とは別の慰謝料と考えられています。
 離婚慰謝料は、離婚に至ったことについての精神的苦痛に伴う慰謝料(不貞行為そのものに対する慰謝料ではない。)、
 これに対し、不貞慰謝料は、不貞行為によって被害配偶者が被る精神的苦痛に伴う慰謝料を指します。

 そして、一般的には、不貞相手に対して、不貞行為により婚姻生活を侵害されたことに基づいて、不貞慰謝料を請求することになります。

▷ では、不倫を理由に離婚に至った場合には、離婚した苦痛を被ったということになるのでしょうか?
 
 この点については、最高裁判所が判断をしています(最判平成31年2月19日平成29年(受)第1456号)。
 長いですが、判決文を引用します。

 (1)  夫婦の一方は,他方に対し,その有責行為により離婚をやむなくされ精神的苦痛を被ったことを理由としてその損害の賠償を求めることができるところ,本件は,夫婦間ではなく,夫婦の一方が,他方と不貞関係にあった第三者に対して,離婚に伴う慰謝料を請求するものである。

  夫婦が離婚するに至るまでの経緯は当該夫婦の諸事情に応じて一様ではないが,協議上の離婚と裁判上の離婚のいずれであっても,離婚による婚姻の解消は,本来,当該夫婦の間で決められるべき事柄である。

  したがって,夫婦の一方と不貞行為に及んだ第三者は,これにより当該夫婦の婚姻関係が破綻して離婚するに至ったとしても,当該夫婦の他方に対し,不貞行為を理由とする不法行為責任を負うべき場合があることはともかくとして,直ちに,当該夫婦を離婚させたことを理由とする不法行為責任を負うことはないと解される。

 第三者がそのことを理由とする不法行為責任を負うのは,当該第三者が,単に夫婦の一方との間で不貞行為に及ぶにとどまらず,当該夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をするなどして当該夫婦を離婚のやむなきに至らしめたものと評価すべき特段の事情があるときに限られるというべきである。

  以上によれば,夫婦の一方は,他方と不貞行為に及んだ第三者に対して,上記特段の事情がない限り,離婚に伴う慰謝料を請求することはできないものと解するのが相当である。

    (2)  これを本件についてみると,前記事実関係等によれば,上告人は,被上告人の妻であったAと不貞行為に及んだものであるが,これが発覚した頃にAとの不貞関係は解消されており,離婚成立までの間に上記特段の事情があったことはうかがわれない。したがって,被上告人は,上告人に対し,離婚に伴う慰謝料を請求することができないというべきである。」

 判決文をお読みいただくとお分かりになるかと思われますが、

裁判実務においては、
原則として、離婚した場合に不倫相手に対して離婚慰謝料を請求できず
例外的に特段の事情がある場合に限り、離婚慰謝料を請求できる

と考えられています。

▷ なぜ、このような判断がされているのでしょうか??

 この点については、一方配偶者が不貞行為(不倫)に及んだことは裁判上の離婚事由(民法770条1項1号)であるものの、離婚しなければならないというものではなく、不貞行為(不倫)があった場合であっても、離婚せずに夫婦関係を継続することは可能です。

 そして、本来的には離婚するか否かは夫婦がお互いに話し合った結果、決定するものであり、離婚に至った原因が不貞行為(不倫)であっても、「離婚する」という選択を行ったのは、夫婦又は他方配偶者の話合いや意思に基づきます。

 そのため、原則として、不倫により離婚した場合であっても、不倫相手に対して離婚慰謝料を請求することはできないという判断がなされたものと考えられます。

▷ では、例外に当たる場合は、どのような場合でしょうか?

 判決においては、例外的に離婚慰謝料を請求することができる特段の事情について、次のように判断しています。

当該第三者が,単に夫婦の一方との間で不貞行為に及ぶにとどまらず,当該夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をするなどして当該夫婦を離婚のやむなきに至らしめたものと評価すべき特段の事情」

 このように、裁判実務では、不倫相手が夫婦を離婚させることを目的として、夫婦関係に不当な干渉を行ったという、夫婦が離婚するという選択を取らざるを得なくなるような行動をしたことが必要になると考えられます。

 具体的には、不倫相手が不倫している配偶者(夫)に対して、妻との同居解消や離婚を繰り返し働きかけ、その一環として、弁護士を紹介して夫の離婚を支援したこと、夫が不倫相手の働きかけを受けて離婚の意思を固めて妻との同居を解消したことから、婚姻関係が破綻したという場合に、特段の事情が認められと考えられます。

 もっとも、夫婦を離婚させることを意図して不当な干渉を行ったことについての立証は、非常にハードルが高いため、簡単に認められるものではないというのが実情かと思われます。

 このように、不倫相手に対して離婚慰謝料を請求することは可能であるものの、認められるケースは多くないものと考えられます。

 離婚慰謝料を請求しようとお考えの場合や、不貞相手の配偶者から離婚慰謝料を請求されていてお悩みの場合には、まずはご相談ください。

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