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Q5.掲示板に過去の逮捕報道が表示される場合、
削除することができる?

【結論】
 刑事事件の処分内容、対象となる犯罪の内容と公訴時効との関係で一定の期間を経過している場合には、記事を削除することができると考えられます

【解説】
 逮捕報道に関する記事の場合、何年前のどのような犯罪であるか、犯罪に対していかなる刑事処分が科せられたか、によって対象の記事が削除できるかどうかが異なります。

 なお、逮捕報道をまとめたサイト等の運営会社に対して損害賠償請求をしたいという考えも想定されますが、損害賠償請求が認められる事案が一般的に観念し難いため、削除請求を行うことがよいでしょう。

1 何年前のどのような犯罪であるかについて

 逮捕報道は、どのような犯罪が行われたか、いかなる手口で被害が生じたのかという犯罪予防の観点から、報道当時は公益性が認められ、また逮捕されたという事実自体は真実であることからも、逮捕後に不起訴や示談成立により公訴権が消滅した場合であっても、逮捕当時の記事自体が権利を侵害し違法であるとして争うことは困難です。

 ここから、逮捕報道の削除請求においては、報道から長期間経過したことという要素を追加することで、現時点においては公益性が喪失しているという主張を行うことになります。

▷ では、「長期間」とは、どの程度の期間を指すのでしょうか?

 何年経過すれば公益性が喪失するかについて定めた法律はないことから、具体的な期間を提示することはできないところですが、
 過去の最高裁判例では、諸般の事情を総合衡量して、表示されない利益が表示する利益を(明らかに)優越する場合に削除請求を認めると判断しています(最判平成29年1月31日)。

 ここから、長期間経過したこととは、仮にその犯罪が起訴されなかったとすると、何年で公訴時効が完成するかという観点から検討することが有用と思われます。
 というのも、
表示されない利益として、公益性が認められないこと、つまり公衆の犯罪に対する関心が薄まったということが挙げられ、公訴時効期間の制度趣旨に沿うからです。

 軽微な事件であれば、報道から3~5年程度経過していれば、削除請求が認められやすいと考えられますが、17年経過していても強盗致傷罪の報道に関する公益性は失われないと判断した裁判例があるため、一概に認められるわけではないことに注意が必要です。

2 科せられた刑事処分の内容について

 刑事処分の内容としては、①無罪、②不起訴、③執行猶予、④略式命令の罰金、⑤実刑が挙げられます。
 それぞれの考慮要素について解説します。

(1)無罪の場合

 無罪となった場合には、犯罪事実が認められないという扱いになるため、通常であれば無罪判決が確定していれば、時間の経過に関わらず、記事の削除が認められることになります。

(2)不起訴の場合

 不起訴になる理由は、起訴猶予、嫌疑なし、嫌疑不十分の類型があり、類型ごとに考え方が変わります。

 不起訴理由が「嫌疑不十分」の場合、検索結果の削除請求も可能になると考えられています。東京高決平成30年8月10日などの裁判例では、「無罪推定」にもかかわらず、逮捕された事実だけで犯罪者との印象を与えるという優により、プライバシーが明らかに優越すると判断しています。
 「嫌疑なし」の場合も同様の考え方になります。

 そして、不起訴理由が「起訴猶予」の場合は、公訴時効を基準として、「被害者との間で示談が成立した」などの個別事情を踏まえた総合衡量により、公益性が喪失したと認められる場合には削除が可能になると考えられます。

(3)執行猶予の場合

 執行猶予の場合は、執行猶予期間満了との関係が問題になります。

 ①公訴時効期間が執行猶予期間よりも長い場合に、例え執行猶予期間が満了していても、長期間経過したと判断されない可能性があります。
 過去の裁判例では、執行猶予期間が満了していても、公訴時効期間が経過していない場合には削除を認めないと判断した事案(名古屋地決平成27年10月2日:公訴時効期間7年、執行猶予期間3年、執行猶予期間満了後1年経過時点での削除請求をした事案)があります。

 ②公訴時効期間より執行猶予期間が長く、かつ執行猶予期間が満了している場合(公訴時効期間1年、執行猶予期間2年という場合)には、公訴時効期間を経過しており、執行猶予期間も満了していることから長期間経過しと判断される可能性があります。

 ③公訴時効期間が経過しているが、執行猶予期間が満了していない場合(公訴時効期間1年、執行猶予期間3年で、事件後2年が経過した時点で削除請求する場合)には、慎重な判断が必要になります。

 執行猶予期間中に他の犯罪を犯せば、執行猶予が取り消され、実刑となる可能性がある一方で、
 最高裁判例が「有罪判決を受けた後あるいは服役を終えた後においては、一市民として社会に復帰することが期待されるのであるから、その者は、前科等に関わる事実の公表によって、新しく形成している社会生活の平穏を害されその更生を妨げられない利益を有する」(最判平成6年2月8日)と判断しており、
 「更生を妨げられない利益」が有罪判決を受けた後から既に生じているという考えに基づくと、公訴時効期間の経過を主張することで削除請求が認められる可能性が考えられます。

(4)略式命令で罰金の場合

 罰金刑自体の公訴時効期間が3年であることから、3年経過時点を一応の目安として請求を行うことが考えられます。

(5)実刑の場合

 実刑の場合には、公訴時効期間が満了していなくとも仮出所等をすることができることから、公衆の関心が薄まっていないという考え方がある一方で、
 上記最高裁判例が「
服役を終えた後においては、一市民として社会に復帰することが期待される」こと、「新しく形成している社会生活の平穏を害されその更生を妨げられない利益」があることから削除請求を認めるべきという考え方もあります。

 削除請求が認められるか否かは、慎重な判断が必要になりますが、対象者の社会復帰の状況や再犯の有無、逮捕後に記事の存在を理由として生じた不利益などの事情を考慮して、削除請求が認められる利益を主張する必要があるものと考えられます。

 過去の犯罪報道についてお悩みの場合や、犯罪報道について削除したいとお考えの場合には、まずはご相談ください。

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